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曲がった丸太の梁を使った東屋の作り方

ここの所、毎日のように東屋の現場の作業。

前の記事 http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e836549.html 前回の記事では柱が6本立って、水平を出して、切り揃えた所まで。


この作業は柱の上に大きな梁を上げるための段取り。 重機なしで大物を上げる時に活躍してくれるのがチェーンブロック。 そのチェーンブロックを吊るすための仮の支柱作り。


こんな感じで取り付ける。


しかし、チェーンブロックで上げられるのは2、5m。 足りない時には2段階にする。 まず低い所で一回持ち上げて、仮止めしておいて、上にチェーンブロックを掛けかえて揚げる。


チェーンブロックを2台使って、ガリガリ上げていく。


ある程度上げた所で、柱に適当な木をつけて仮固定する。


チェーンブロックを掛け換える。


乗った。


ここでこの「Wスクライバー」というマニアックなツールの登場。


上の丸太のカーブを下の柱にケガキ出来るという優れもの。 丸太と丸太を切り込んで組み合わせる、ログハウス作りには欠かせないもの。 ログじゃなくとも、丸太の梁を多用する廃材建築でも出番は多い。


ここでまたチェーンブロックで一旦持ち上げておく。 でもって、ケガいた墨にそってチェーンソーで切り込む。


最後はグラインダーで丁寧に削って仕上げて、チェーンブロックを下ろしてゆく。


一本上がって、仮の筋交いを取り、二本目を上げてる所。


柱と梁の固定は5分の異形鉄筋。


60cmの長いドリルで下穴を開けて、同じく60cmに切った鉄筋を打ち込む。 丸太の芯に鉄筋が入る事で強度を得る。

これは一軒目の廃材ハウスの時に多用した、木の電柱での柱と梁の構造で使った工法。 大家さんでもあった河野さんが、「穴開けて鉄筋打ち込んだらええだけやー。」と軽っと教えてくれた。


ひたすらハンマーで叩く。


完全に打ち込んだ状態。 これで、どこからも金物が見えないというデザイン的な面もある。


こうして3本とも上がり、鉄筋も打ち終えた。


更に上に上げる細い丸太の磨き。 これは製材所で荒く皮をむいただけで、4mにカットされたもの。


細い丸太は二人で、「よいせー!」で上げられる。 とは言え、結構重くて重労働。 同時に流木の筋交いも入れた。


家のデザインは平行四辺形なので、梁に対して細丸太の角度がかなり斜めになった。


上でカットする。 こういう作業では現場合わせが一番。 下手な計算はしないに越したことはない。


更にチェーンソーで削り、長~いコーチボルトで固定。 これも下からは金物が見えない。 マサのこだわりでカスガイなどは入れずに、これだけで行く事にした。 これだけ長いコーチボルトはインパクトドライバーにソケットつけては入っていかない。 もちろん手では絶対に締め付けられない。 車のタイヤの脱着に使うインパクトレンチで締め付けると、丸太に座金がメキメキと食い込み、頑丈に固定される。


全部上がった。 カーブが美しい。 何度も何度も、「ええなー、この形!」と口々に出てしまう。


そして大きな流木で筋交いを入れる。

何度も何度も当ててみては墨つけをして、削ってはまた当てての繰り返しで、ピタッとするまでやる。


返す返すも美しい!!

なぜ丸太や流木が美しいのか? それは人工じゃないからだ。 自然の織り成す造形美は人間が加工しては出せない味。 しかし、その素材をこうして組み上げるのは人間。 それがまた面白い。


全て筋交いも入り、仮筋を外した。


お次は野地板。


写真では分かりづらいけど、3次元的な湾曲の屋根なので、張るのに苦労した。

暑くもなく、寒くもなく、最高の季節。 鶯が鳴き、海を眺めながら弁当を食べられる最高の現場。

まだまだ長くかかりそうなので、落ち着いて段取りを進めないといけない。

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