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一軒目の廃材ハウスの陶芸窯の屋根の修理

浄化槽のフタが傷んだので見に来て欲しいという電話があった。

うちは一体何屋なのか?
そんな事はさておき、見に行った。


鉄板って、ここまで腐食するん???という強烈なサビ加減。


マンホールタイプの丸いフタじゃなく、かなり大きな開口部。
元々はこの四角い穴に合わせて、樹脂製のフタがあったそうな。
それが随分前に壊れて、鉄板でフタしてたと。
その鉄板が裏から強烈に腐食してた。

雨にさらされてサビるというのは別のサビ方。
鉄板を新調するにしても、何か対策を講じないとまた同じように腐食する。
ポイントがよく分からないので、浄化槽の仕事をしてる知り合いに電話。

「それはガスやなー。」
「塩素が強烈やけん、鉄がボロボロになるんや。」
「塩ビかアクリルの板でも置いて、その上から新しい鉄板置いたら大丈夫やで。」
との事。

別に鉄板の裏に、その板を固定するとか考えなくてもいいそうな。
電話する前は、「鉄板が裏からサビない為には何かを裏に張り付けないと、、、。」とか悩んでたけど、一発で解決。


樹脂製の板をカットして、置く。


鉄工所に発注してあつらえた、新品の鉄板を置く。
これで完成。

原因と対策が分かれば、仕事は早い。
どの分野にも専門家がいる。
経験者にとっては造作もない仕事でも、未経験者にとっては無理難題。
こんなことって山ほどある。
そのために各分野の職人たちが日夜仕事をしてるとも言える。

この浄化槽の樹脂製のフタの「正式」なやつを取り寄せたりしてると、お高くなる。
何でも正式は高い。
別に正式じゃなくとも、用を満たせば体裁は気にしない。
こういう条件なら、いとも簡単に解決できる。
こんな事って多々ある。


午後からは一軒目の廃材ハウスへ。
これは窯の屋根。
周りから竹藪が押し寄せて来てる。

土地のオーナーの河野さんから、「俺がトタン代出すから、葺き替えてくれ。」と頼まれてた。
実際には窯はもう使ってないのだが、河野さんが、田んぼでの年に一度のイベント「アートでたんぼ」用に机やイスを置いてる。
河野さんとしては、今直しておけば物置きとして使えるという判断。
確かにもう何年かして角材が腐れば、一から作るのは大変。


元々が廃材で作ってるので、既にボロボロ。
ここの所の雨で、窯も傷み始めてる。
一軒目の廃材建築の師匠でもある、田村さんと一緒に見に行った。
当初は河野さんと一緒に直そうという話だったのが、河野さんが本業の籾すり業がオンシーズンになり、忙しくなった。
で、「陣さんと田村さんとでやってくれ~。」という流れになった。

この下見だけでも、「さすがは田村さん!」というシーンがたくさんあった。
そもそも、13年前の何も知らない僕が作った廃材建築。
10尺のトタンの割(下地の角材の間隔)なんかも全く考えてない。
というか、当時大量にもらってきたバラ園の半透明の波板は5mとかあり、普通の波トタンの規格とは全然違ってたのだ。
それに合わせて下地を入れてるんやから、しかたないと言えばそれまで。

それをパッと見て、「この角材はこっちに移動して、ここに新規に3寸5分の廃材入れたらええが。」と的確に決めてゆく。
「ハイ、そうですね。」と頷くだけの僕。
熟練者は何でも早い。
作業も早いが、こういう段取りも早い。

見て、瞬間的に現状把握する。
そして次の瞬間には材料と作業工程が弾き出されてる。
チマチマ、ニイニイ、、、すったもんだで、全く進まないというのとは別世界。

「ほんだら陣さん、金物屋にガルバの10尺48枚持って来させとけよ。」
「あ、傘釘はステンで2箱な。」
と、下見は10分で終わった。

担当者、施工者、責任者が同一。
コレが決め手だぞ。

河野さんの「俺がトタン代出すから。」という申し出は、「折角作った窯なんやから、また焚きに来たらええがな。」というメッセージを含んでるようにも感じた。

陶芸家の看板がズリ落ちそうになってる僕としては、かえってありがたい。
確かに、ここの窯にしか出せん味がある。

苦労して作ったから惜しいというだけじゃなく、親父の窯とは構造が違う以上、焼き物もまた違ったものが出来るのだ。

廃材生活の中でも原点に位置づけられる陶芸。
それはこの窯の燃料のために解体屋に廃材をもらい始めたから。

事実、陶芸も面白いしー。

でも、陶芸家でもないし、何屋にもならない。

これでいいのだ!!!

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